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ニューヨークのチャイナタウンは、香港、中国本土、台湾と時差なし。ここでは最新の映画タイトルのDVDが手に入ります。映画情報をいち早くお届けします。
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Film Comment Selects というニューヨークの映画祭で、
ソイ・チェン監督作品の「意外」と、エドワード・ヤン監督の「牯嶺街少年殺人事件 」が上映されます!!!

「意外」は私個人の2009年のベスト3に入るほど、気に入っている作品で、「牯嶺街少年殺人事件 」にいたっては、生涯忘れられない大好きな作品。
「牯嶺街少年殺人事件 」が上映される事は、ニューヨークではおそらくもう無いことなので、在住の人はお見逃し無く。

http://subwaycinemanews.com/archives/791


ちょい興奮気味。
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「記憶がないのに、復讐になんの意味がある」人間の本当の幸せは、人を恨む気持ちからではなく、愛する気持ち。深いメッセージを秘めているこの作品は、カンヌ映画際でも評価された。まずフランス、そして世界へ、と狙いを定めたのか。ジョニー・トー監督の新たな挑戦と、大衆受けへの脱皮へと決意が透けて見える。英語、フランス語、広東語を縦横無尽に駆使した意欲作。フランス合作。

マカオのある裕福な一家として暮らす娘の夫、息子二人が何者かに襲撃され惨殺される。フランス人の娘だけは一命は取りとめたものの、重症で話もできない。復習を誓った父親のコステロは、ホテルで三人の暗殺者と出会い、娘一家の復讐を要請する。だがコステロには古傷が原因で記憶障害があった。

カルト的な人気が今でも止まない「ミッション」、最高作品との声が高い「エグザイル」との三部作の位置づけがなされているが、この作品はジョニー・トー国際的な認知を狙っている。アンソニー・ウォン、ラム・シュ、サイモン・ヤム、ラム・カートンなどの、常連を集め、「エグザイル」をほうふつとさせるシーンが多々あり、「ミッション」から続く様式美も健在。映像がとにかく素晴らしく、無国籍に見えるマカオの街を、俳優達の立ち姿を、「エグザイル」以上に魅力的に撮っている。

「エグザイル」は、一部ファンには熱狂的に支持されるものの、女性の観客に受け入れ辛い面もあり、賛否両論の批評を受けた。特に海外での評判は不本意で、いくつかのシーンが現実的ではない、との評価もあった。だが、それらの批判への答えは今作品にある。ストーリーが簡潔でわかりやすく、説明も丁寧だがスピード感はむしろアップしている。行き当たりばったり感が魅力でもあった「エグザイル」だが、今作品では、主人公の行動に韻を含ませ、ラストに繋いだ。ペーソスもあり、これはヨーロッパの観客に喜ばれただろう、と想像できる。言葉にしなくても表情で読む、というアジア的な美徳をこの際捨て置き、世界の観客の目を意識した。

反面ファンサービスも怠らず、トー作品に精通していなければ分からない、ニヤリとするポイントも沢山ある。レストランオーナーであるコステロが、娘の家の冷蔵庫に残った食料でパスタを作り、皆に振舞う。料理を作り、皆で食べるのは多くの作品でも御馴染みのシーンで、ファンなら ふ、と微笑が浮かぶ。

フランスでの人気が高いトー監督は、合作を切望していたと聞く。長らく、同じスタッフを使うことでも有名なトー氏。阿吽の呼吸を自から破り、新境地を開いた。作品のセリフは、大部分で英語が使われており、外国語の映画は苦手な米国人への敷居も低くしている。ハリウッドのリメイクもいいだろうが、ジョニー・トー作品自身が、世界で観れればもっと良い。この作品がそれを叶えてくれるのを、ファンは固唾を呑んで待っている。





すごい作品だ。思わず台湾映画バンザイと叫んでしまうほど。もしかしたら0年代のベスト1かもしれない。それほどこの作品を手放しで褒め称えたくなる。こんな気持ちになったのは他にも大勢いるようで、2009年台湾金馬獎では最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀オリジナル脚本賞、2009年度台湾傑出映画など5部門を受賞。アカデミー賞外国語映画賞の台湾代表にも選ばれた。

 台湾南部、高雄の港で暮らす武雄と7歳の娘・妹仔。武雄は潜水工員で、妹仔は魚釣りを手伝いながら、貧しいが肩を寄せ合って生きてきた。だが妹仔の小学校入学に際し、武雄は役所から妹仔は出奔したまま行方のわからない母親の方の籍に入っていて、保護者としての資格がないと聞かされる。小学校時代の同級生を頼り2人は台北へ向かうものの、法律やさまざまな制度が壁となって立ちはだかり、とうとう自殺騒ぎを起こしてしまう。

全編白黒の画面、ドキュメンタリー風に撮られた映像は美しく、悲しい。主人公の武雄は不器用で社会の底辺にいる。まじめに働くが、欲張りな雇い主に詐取されたり、大怪我をしたりもする。娘を懸命に愛し守ろうとするが、役所にたらいまわしにされてしまい、追い詰められて、不注意から警察に逮捕されもする。だんだん深みはまり、そのまま抜け出せない主人公が切ない。経済的に躍進している台湾だが、格差社会はやはり深刻で、弱者にとって制度に大きな問題があるようだ。それを声高に叫ぶでもなく、じっくりと見せる。

へたをしたら、世間に忘れ去られてしまいそうな、地味な作品だ。スターもいない、レオン・ダイは著名な俳優だが、初監督だ。人間の一番必要なものはなんだろうか、というメッセージが強烈に込められていて、感動が止まらない。幸せや人を思う気持ちは、お金でもなく、犠牲もなく、側にさえいられたらと願うこと。とにかくこんなに素晴らしい映画に出会うのは、今の時代簡単ではない。台湾は、やっぱりすごい。







初めに頭に浮かんだのは、どうしてこのような作品が米国で撮れないのか、という事だ。主人公の育児責任放棄が程度を超えていて、妻が不貞を働く、児童虐待もあり倫理に逸脱しているから、悪影響を心配する保守派の多い米国の映画産業では、ある意味ここまで過激な作品は配給が難しい。
米国でも親がろくでなし、という設定の映画は多くある。しかしこの作品程、芸術性に優れ、しかもリアリスティックな映画に出会えるほど、米国の映画環境は恵まれていない。優れたインディペンデント映画の作品も多くある、だが保守派が権威を持つレイティングに脅える監督達は、行き過ぎがないよう、縛り付けられ、描きたいテーマに手を出せない。
香港、台湾のもっとも権威のある賞に選ぶ映画界の目利きの鋭さ、いい作品であると認め、足を運ぶ観客達。米国に住む我々は、嫉妬する以外無いのか。

タイトルバックでノックアウトされた。ボートがゆっくり進む青い池の映像に、子供の歌う『You are my sunshine 』アジアの独特な湿り気が作り出す色彩の多彩さ。カビの生えたコンクリートの壁、太陽の黄色、街路樹の緑。たった七作の珠玉の作品を残し、数々の監督達に影響を与え、十七年間監督業から遠ざかっていた、パトリック タン 監督の最新作、「父子」は、美し過ぎると同時に大きな痛みを伴う作品だ。ウォン・カーウァイが師と仰ぐ香港ニューウェーブの旗手のタン監督は、この作品で、第43回台湾金馬奨で最優秀作品賞、第26回香港映画金像奨で最優秀監督賞や作品賞、脚本賞など五部門を受賞。第19回東京国際映画祭でも最優秀アジア映画賞と最優秀芸術貢献賞を受賞した。

  食堂で料理人をしている周長勝(アーロン・コック)は、ギャンブル好きが祟って多額の借金を負っている。そんな夫に愛想を尽かした妻の玉蓮(チャーリー・ヤン)は、息子の樂園(ン・キントー)をおいて家を出て行ってしまう。妻に逃げられ途方に暮れた長勝は、仕事もクビになり、樂園は学校へ行くバス代が払えなくなり、電気代さえも払えず止められてしまう。やがて借金取りから逃れるために家を出た長勝と樂園は、隣町の安宿に留まることになる。そこで娼婦の阿芳(ケリー・リン)と知り合った長勝は、彼女の稼ぎを当てにしようと画策するが叶わず、樂園を盗みを働くよう強制するが。

盗難計画の為に忍び込んだ家で、熱を出した子供に語りかける母親の言葉を聞いてしまう樂園「あなたは私の大事な宝物。とても愛しているわ」盗み聞きしているうちに涙が止まらなくなってしまう。どうして僕は母に捨てられてしまったの、どうして僕は愛されないの。無言で伝えるシーンは胸が痛くなる。息子への愛を口にしながら、引き取ろうとしない母親。その母親に会いに家出する息子が戻っていた時、激しく摂関してしまう父親。子供を肉体的、精神的に虐待する親の身勝手さは重いテーマなのに、父親にも、母親の立場にもつい共感させられてしまうのは、力のある脚本とタン監督自身の人格だろう。

英語題が非常にいい、『After This Our Exile』激しい愛ゆえにがんじがらめになってしまうこの父子がExile(追放)の果てに見た物は。



緑の数字が徐々に上がって行く。その時の高揚感は、株取引をやった事があれば、覚えがあるはずだ。実際には倍の価格に成る事などない。もしそれが可能ならば、悪魔に魂を売ってやる、と思ってしまったのは、誰でも少なからず経験があるのではないだろうか。もし家族が病気でお金がどうしても要るなら、もし目の前にインサイダー取引の情報があったなら。

「インファナルアフェア」シリーズや「傷だらけの男たち」のアラン・マック監督と脚本家フェリックス・チョンが共同監督・脚本に挑んだ金融サスペンスで、この二人が揃うだけでもファンは涎れものだが、ラウ・チンワン、ルイス・クー、ダニエル・ウーが主演、イー・トンシンが制作と来れば、期待値は自ずと上がるというものだ。ちょっと草臥れているが洗練された刑事達が、屋上で香港のビルをバックに話すシーンは、インファナルアフェアを彷彿とさせるが、主演の3人は、古くからのトーシン組。制作者と監督の見事な融合と言うべきか、イーがしっかりと足跡を残しているのも、妙味がある。

 情報科の刑事、梁(ラウ・チンワン)、楊(ルイス・クー)、林(ダニエル・ウー)らは、盗聴器と隠しカメラを使って不正株取引の疑いがある企業・風華國際の社長を監視していた。楊は病気の子どもを抱えているうえに自身もガンで、死ぬ前に家族にまとまった金を残していきたいと思っていた。林は良家の娘との結婚が決まっているが、稼ぎが少ない事を苦にしていた。愛人との会話の盗聴で、翌日に株価が上がることを知った楊と林は、その株を無事買う事が出来たが、あまりにも価格が急激に上昇した為、取引停止になってしまう。事の次第を察した梁は、彼らをかばう為に証拠隠滅に加担し、自らも犯罪を犯してしまうが。

音楽、撮影も素晴らしく、脚本は知的にはらはらさせる。病気の子供を持つ、家族思いの楊を演じるルイス・クーが白髪で老け役を暖かく演じているし、上司の妻と浮気をしているラウ・チンワンもいつもどおりの大人の色気を振りまく。珍しくスターオーラを消している、やせっぽちのダニエル・ウーには、演技派への転身の意思を感じる。盛りだくさんの内容を、きっちりとまとめているのは、監督の技量と俳優達の芝居によるところが大きい。
問題点を挙げるなら、インサイダー取引に対する、知識が少しあやふやではないかと思う点だ。株取引は、銀行口座のように、無記名では出来ないから、刑事達が取引をするのは、そもそも不可能のはず。だが香港映画たるもの、少しくらいご都合主義でなくてはいけない。

中国経済の急成長に合わせて、香港市場も拡大した。金融犯罪ドラマの盛況は必然の成り行きのはず。黒社会映画くらいの盛り上がりを期待したい。
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hkny Emi Ueyama
性別:
女性
自己紹介:
ニューヨークはチャイナタウンで、最新DVDを仕入れる日々。
ウォン・カーウァイマニア。その他注目しているのは、イー・トンシン、ジョニー・トーらの香港にこだわり続ける監督達。
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